おまじない




なぜラビはいつも眼帯を外さないのだろう?  


僕は隣のラビの横顔を見ながらふとそんなことを思ったんだ。
だって今までいろんなラビを見てきたけど、
一度もその眼帯の外した姿を僕は見たことないんだもの。
お風呂に入る時も涙を流す時も外さないのだろうか?
今までそんなこと思いもしなかったんだけど…… 気になる。

すごく気になる。

科学者ゆえの追究精神なのかな。
サイエンス☆スピリッツってやつ?
一度気になり出すともうそれにしか目がいかないんだよねー。
ほら、一度人の鼻に目が行っちゃうともうそれしか見えないって経験あるじゃない?
それと同じ感じだと思うんだ。
余談だけど以前リーバー班長の髭の一本が伸びてて、それが気になってしまってね。
仕事が手に付かなかったことがあったんだ。
本当に余談だね、ふふっ…。


抑え切れないサイエンス☆スピリッツを胸に僕はラビに聞いてみたんだ。
その眼帯は外さないのかい?
その眼帯の下のエメラルドの様な曇りなき眼を見せて
ってね。

『これはダメさー。事情は詳しくは言えないけどジジイに外すなって言われてるんさ。
コムイにだって秘密!』

なんてこった…!/(^o^)\

あっさりばっさり切られてしまったよ。
僕たちは恋人同士なんだよ?
僕たちの間に秘密なんてないんじゃないのかい?
大したことではないのだけれど、
そこまで断固として秘密にされると何だかとっても悔しいよね? 
まして僕はサイエンティスト。
物事の真実をはっきりと知るのが使命なんだ。
しかもあろうことか僕は黒の教団科学班室長じゃないか。
もう半分意地だったのかもね。
僕の方が11歳もお兄さんなのにそんな言われ方されちゃったんだもん。

『そんなにいつも眼帯つけてたらかゆくなってしまうんじゃないかい?
かゆくなって、そのうちラビの可愛いお顔にキノコが生えてしまうかもしれない!
僕が 診てあげるから外してごらんよ。』

そう言って僕は力付くでラビを引き寄せた。
インドア派で普段ペンとハンコとマグカップくらいしか持たない僕でも
それなりに身体は鍛えているんだ。
それにあれだね。
火事場の馬鹿力ならぬエロ場の馬鹿力ってやつ?(笑)
今はエロい場面ではないけど、
僕のキモチはいつの間にかバナナモードになっていたんだ。
思春期なのかな、僕(笑)


小さな頃、ふうっと息を吹き掛けると汚れが清められるおまじないを誰かから聞いた。
理由なんかないんだけど、何となくそのおまじないをラビに試したくなってね。
いたずら心なのか解らないけどしなきゃいけないと思ったんだなー。

そんな訳で引き寄せたラビの眼帯にフゥーっと優しく甘い吐息を吹き掛けたんだ 。
バナナモードになっているのを悟られないように、出来るだけ紳士を装いながらね。

『ちょっ…ばっ…コムイ何やってるんさ!? キモチワルっ…』

僕のせいじゃないんだけどね。
僕はあくまでも紳士を装うつもりだったんだ。
でも大好きな可愛い可愛いラビに『キモチワルイ』なんて言われたらもーうダメ。
僕、フィーバー☆フィーバーしちゃったみたい

心の中から
『何でキスしないの!?何でもっと強くキスしないの!? もっとストロー ングっ!!!』
って声が聞こえた気がした。
そのまま僕のマイリトルラビを押し倒し、
超濃厚リッチなKissをプレゼントしてあげたんだ。

そのあとは恒例だけど、何が何だかイマイチ覚えてないんだよねー♪
リーバー班長のうるさいノックの音で目が覚めたんだけど。

ま、後は君のエッチなご想像にお☆任☆せするよ♪
 
じゃ、そんな感じでアディオ〜ス





byH氏