−方程式−




最後に触れるだけのキスをした。




同じ気持ちなど、この世のどこにも存在しない。


そう思いこんでいた僕は、君の悩みに少しも気付けないでいた。



こんな結末を望んでいたわけじゃないけど、仕方のないことだってある。


君の存在が子供の域をでないと決め付けていた僕が、
君を理解しようと守ろうと するなんて、なんて傲慢。


確かにそこには、 望んでいた未来があったはずだった。


そう思ってたこと自体が、この結末を導いた。



いつから、と辿るとはじめから。


それは常に君と僕の間に存在し続けていたまま、縮まることはなかった。


それでも僕は、君の弱くて切ない愛しかたが好きだった。





こんなに君が好きだったことを、僕は忘れはしない。






byニジョートキワ